第二の人生に向けて

　毎回退院が決まったら、イルカセラピーに通っていましたが、最後の抗がん剤治療が終わり、しばらくしたら仕事復帰という状態になりました。

 

　『最後のイルカセラピー？いや、まだ受けたい。でも、もう通えなくなる。』その為勇気を振り絞って、イルカセラピーの機械を分けて欲しいと懇願しました。社長さんも私の熱い思いに押されて承諾して下さいました。

 

　その後、届くのを楽しみに待っておりました。届いた日は「やったぁ〜‼︎」と思わず声があがりました。

 

　当時、受けていたイルカセラピーでは、足から体に溜まった電磁波を抜いていました。私が、冬コンビニの棚を触ったり、カードを手渡しただけで火花が出る電気人間だと伝えた事もあり、別にアース棒をつけて下さいました。ありがたい、ありがたい。

 

　しかし、通っていた時に感じていた感覚がない。『ん？どうして？故障してる？』何とも失礼な話です。ごめんなさい、社長さん。

　

　それで認知症で病院にかかっていた身内に2週間の間に10日ほどイルカセラピーを受けにきてもらいました。

 

　病院で色々な問題を解く検査があった日に初めて30分体験しました。その後は1時間ずつ。「あったか〜い。気持ちがいいね。」と言いながら受けていました。

　

　2週間後の病院受診でまた検査がありました。今まで薬を飲んでも悪くなるばかりでしたが、病院の先生が「わぁ〜、薬が効いたぁ〜。」と、おっしゃったのです。私がどう思ったかはご想像にお任せします（笑）

 

　『ごめんなさい、社長さん。壊れていませんでした。私の心が安心して全集中できてなかったのですね。イルカちゃんの超音波が、しっかり流れていたのですね。』心の中で謝罪を繰り返して言っていました。

 

　長いこと仕事を休ませていただいて、復帰してからは、バタバタと忙しい日々が続きました。

 

　その後、年を重ねていくうちに、受け持たせていただいているこども達と別れるのは…という気持ちと私の夢は？という気持ちで揺れ動き、後悔しない為挑戦したいと思うようになりました。そして定年を前にして38年間続けた仕事を退職したのです。